砲台グリーンの攻め方 —— ショートが二重に罰される理由
先に結論:砲台グリーンではショートが二重に罰されます —— 届かないうえに法面を転がり戻り、上りの難しい寄せが残るためです。平らなグリーンなら5ヤードのショートは5ヤードで済みますが、砲台では15ヤード戻ることがあります。奥にトラブルがなければ、大きめの番手のほうが期待値は高くなります。
砲台グリーン —— グリーン面が周囲より一段高く、法面(のりめん)で囲われた形。 日本のコースでは非常によく見る形状ですが、アマチュアが最も損をしやすい地形でもあります。
見上げると近く見える
まず錯覚の話です。見上げる目標は、実際より近く見えます。 さらにグリーン面が見えないため、奥行きの手がかりもありません。
結果として、砲台グリーンでは番手が足りない選択をしがちです。 「見た目より遠い」ではなく「見た目が当てにならない」と考えたほうが正確です。
高低差の折り込み方そのものは 打ち上げ・打ち下ろしの距離 と同じで、 打ち上げぶんを距離に足します。
ショートは二重に罰される
ここが砲台グリーン最大の特徴です。手前にショートすると、こうなります。
- グリーンに届かない(想定どおりの損失)
- 法面を転がって戻る(追加の損失)
平らなグリーンなら、5ヤードのショートは5ヤードのショートで済みます。 砲台では、5ヤードのショートが法面の下まで15ヤード戻ることがあります。 しかもそこは、上に向かって打ち上げる寄せという難しい位置です。
つまり砲台グリーンでは、ショートのコストが平らなグリーンの数倍になります。
だから大きめを持つ
| ミスの方向 | 平らなグリーン | 砲台グリーン |
|---|---|---|
| ショート | グリーン手前から寄せ | 法面を転がり戻り、上りの難しい寄せ |
| オーバー | 奥から寄せ | 奥は傾斜が緩いことが多く、むしろ易しい |
多くの砲台グリーンは、奥のほうが平坦です。前面を高く盛り上げる構造上、 奥は自然地形に近くなるためです。
したがって、奥にバンカーや池がないかぎり、大きめの番手を選ぶほうが期待値が高い という結論になります。「ピンにつける」ではなく「外していい側に外す」という考え方は ピンまでの距離の測り方 と同じです。
受けグリーンでは判断が逆になる
砲台と混同されやすいのが受けグリーン(奥から手前に向かって傾斜しているグリーン)です。 こちらは性質が逆です。
- 球が止まりやすい —— 奥から手前への傾斜が球を受け止める
- 手前から転がして寄せられる
- ただし奥に乗せると下りのパットが残る
受けグリーンで奥に乗せると、グリーンの速さ のところで書いた 「下りは止まらないうえに曲がる」がそのまま出ます。 砲台では大きめ、受けでは欲張らない —— 同じ「グリーンが傾いている」でも逆の判断になります。
見分けるには高低差の数字が要る
砲台か受けかは、グリーン面が見えていれば分かりますが、 砲台グリーンはそもそもグリーン面が見えません。だから見て判断できません。
グリーンの手前と奥の高低差、そしてグリーン面の傾き —— この二つを数字で持っているかどうかが、 「大きめを持つべきか」の判断を分けます。読み方の手順は グリーンの読み方 と変わりません。