レイアップの距離の決め方 —— ハザードの手前をどう刻むか
先に結論:刻んだ球がハザードに入るのは、たいていミスショットではなくうまく当たったときです。だから刻む番手は「よく出る距離」ではなく上振れしたときの距離で選びます。そして刻む目的は短くすることではなく、次を打ちやすい距離に置くことです。
刻むと決めたのに、刻んだ球がそのままハザードに入る —— よくある事故です。 原因はたいてい番手選びの基準にあります。
「入れてはいけない帯」を先に把握する
ハザードには、二つの距離があります。
| 数字 | 意味 |
|---|---|
| 手前までの距離 | ここを超えると危険が始まる |
| 越えるのに必要な距離 | ここに届けば安全(キャリーで) |
この二つの間が、入れてはいけない帯です。 刻むというのは、この帯の手前で確実に止めるという意味であって、 単に短いクラブを持つことではありません。
刻む番手は「上振れ」で選ぶ
ここが最も間違えやすいところです。
刻むときに「このクラブはいつも140ヤードだから、150先の池には届かない」と考えると、 会心の一発が出た日に届きます。刻みのミスは、たいていミスショットではなく うまく当たったときに起きます。
したがって刻む番手は、よく出る距離ではなく、上振れしたときの距離で選びます。 「一番良く当たっても帯に届かない」が条件です。
残す距離は「得意な距離」
もう一つの基準は、次の一打をどこから打ちたいかです。
- フルショットで届く距離を残す(中途半端な力加減を避ける)
- 自分が最も自信のあるウェッジの距離を残す
- 花道側から狙える位置を残す
刻む目的は距離を短くすることではなく、次を打ちやすい状況を作ることです。 残り30ヤードの微妙な距離より、残り100ヤードのフルショットのほうが易しい、 という人は珍しくありません。自分の得意な距離は 自分の飛距離の知り方 の要領で把握できます。
転がりを忘れない
キャリーで足りていても、着地後に転がって入ることがあります。特に次の条件では要注意です。
- 落としどころが下り傾斜
- 追い風
- 乾いた硬いフェアウェイ
逆に、砲台グリーンの手前や受け斜面では思ったより止まります。 落としどころは、帯の手前ぎりぎりを狙わず、余裕を持って手前に取ります。
距離が分からなければ判断できない
ここまでの話は全部、ハザードまでの距離が分かっている前提です。
そして刻む場面は、ドッグレッグやブラインドでハザードが見えていないことも多く、 目視では距離を測りようがありません(ドッグレッグとブラインドホールの攻め方)。見えない目標までの距離を出せるのは GPSの得意分野で、レーザーは苦手です (GPS距離計とレーザー距離計の違い)。